『ストレングスファインダーで強みを活かす』布施淳先生 / ヘルスケアビジネス研究会9月イベントレポート

9月14日、ヘルスケアビジネス研究会の9月サロンイベントに参加してきました!

今回の登壇者は東京医療センター循環器内科医の布施淳先生です。 布施先生は今月「救急心電図 ただいま診断中!」という本を出版されていますが、今回はその話ではなく、「ストレングスファインダー」についての講演です。

ストレングスファインダーは、アメリカの世論調査と組織コンサルティングのギャラップ社が「人は自分の弱みを改善するよりも、自分の強みに意識を向けそれを活かすことで最大の能力を発揮する」という考え方に基づき開発したツールです。

Webサイト上で177個の質問に答えていくことで、自分の強みを知ることができます。Strengths  Laboより引用

実は布施先生は日本で数少ないストレングスファインダー認定コーチの資格を取得されているそうです。

佐々木
楽しみです!早速イベントの一部をレポートしてきます!

会場の日本橋ライフサイエンスビル

強み開発は成功への道、強みを活かせば幸せになれる

布施先生は循環器内科医をやっていて気づいたことがあるそうです。それは「患者さんが幸せじゃない」ということ。

病気だから幸せじゃないのではなく、幸せじゃないから病気になるのでは?と考え、幸せってなんだろうとポジティブ心理学の勉強始めたそうです。

すると日本の現状が見えてきたそうです。

以下、布施先生のお話)

まず、日本は自殺率が高い。先進国最悪レベルです。

またある調査では、会社員のうち、熱意のある社員は6%しかいないという結果が出たそうです。日本を担う生産年齢層の人たちが幸せそうじゃない。

さらに、アメリカ人は年をとると幸福度が上がっていくのに対し、日本人は年をとるほど幸福度が下がっていくという調査もあります。

布施淳先生
若者は自殺して、働くものは熱意がなく、歳をとると不幸になる、なんなんだ日本と(笑)。

みなさん幸せですか?

ではどんな要素があると幸せなのか。

アメリカの心理学者マーティン・セリグマンによると、“PERMA”の5つの要素があると人は幸せを感じるそうです。 そしてPERMAの基礎として、“強みを活かして他者や社会に貢献する”ことが必要だそうです。

しかし、日本人には強みを伸ばすのではなく弱点の克服に力を入れる文化があります。

数年前のラグビーW杯で日本が強豪国南アフリカに勝利した時の監督エディー・ジョーンズは、選手の強みを活かす指導をしていたそうですが、

彼曰く、「日本人は自分を肯定的に捉えるのではなく、否定的なところから入って自分の成長ルートを導き出す」傾向があると。

さらに日本の学校教育では、勉強という一つの指標で人物が評価されてしまいます。それぞれに得意なことがあるのに、得意じゃない分野で評価されてしまいます。

例えると、魚を木登りで評価しているようなもの。魚は本来泳ぐことが得意なのに、一生自分に能力がないと思い込んで過ごすことになります。 もっと自分の得意なことを知り、活かさなければなりません。

ギャラップ社がこんなデータを発表しています。

  • 日常的に強みを意識しているチームは、そうでないチームに比べ生産性が12.5%高い
  • 強みを活用することを重視している人は、仕事へのエンゲージメント度が6倍高い
  • 強みに関するフィードバックを受けているチームは生産性が8.9%高い

これらのデータから、日本人は弱点を克服するのではなく、もっと自分の強みを意識し活用していかなければならないことがわかります。

布施淳先生
では、あなたの「強み」はなんですか?
そう聞かれたら困ってしまう人が多いです。

それは普段、強みを意識したり強化しようとしていないからです。 何が得意なのか、どこで自分を活かせるのか、それを考える教育を受けていないんですね。

自分の強みを意識できない理由の一つに、自分にとっての”当たり前”は他人にとっての”驚き”であるということがあります。

例えば、サロン主催者の加藤 浩晃先生は社交性という強み使って、新しく出会った人とどんどん仲良くなっていきます。それは僕にとっては驚くべきことですが、加藤先生からすると当たり前。つまり自分の強みは自分で気がついていない可能性があるということです。

そこで、強みを言語化し、発見するツールが“ストレンスファインダー”というわけです。

資質TOP5からその人の特性を知る

われわれが普段から自然(無意識)に取っている思考、感情、行動。 成功した人のこれらのデータを30、40年に渡ってギャラップ社がデータを蓄積し、それを34の資質に分類し、見える化しました。

34の資質はざっくりと以下の4つのカテゴリーに分けることができます。

  • 実行力
  • 影響力
  • 人間関係構築力
  • 戦略的思考力

それぞれのカテゴリーに色をつけ資質TOP5で円グラフを作るとその人の特性が見えてきます。

こちらは布施先生のTOP5。誠実な人柄が表れています。

例えば青(人間関係構築力)が多い人は、the良い人で親切でコミュニケーションも得意。いつもチームの中心にいるような人。

赤(思考力)が多い人は、頭の中で色々考えているが、それをアウトプットするのが得意ではない。不器用だけど実は深いことを考えているような人。

このようにその人のタイプを知ることができます。もう少し具体的に見てみましょう。

布施先生の科の若手の例

例えばこれは、僕の勤務先の科のある若手の資質TOP5です。

彼はやれと言ったことをやらないし、遅刻もするし、だらしなくて普通に見ると全然ダメなやつだったんです。

そんな彼がカテーテルを初めてやる機会があり、僕は、彼は勉強もしてないし上手くできるはずないだろうと思っていました。

しかし、彼はカテーテルを成功させたんです。

なぜ彼は勉強もしていないのにうまくやることができたのでしょうか?

実は彼は仲間の人望がとても厚く、信頼されていたんです。

彼は普段、適応性の資質を発揮し、困っている人がいればパッと臨機応変に手伝ってあげたり、いろんな人のために身を粉にして手伝ってあげていたりしたそうです。

また、みんなが一人にならないように、一緒にやろうと仲間に引き込んだり(包含)、明るく社交的(ポジティブ社交性)だったりと、とても人望のある人だったんです。

それで彼がカテーテルをやるとき、同期の仲間がサポートして、成功させることができたんですね。

彼がだらしなく見えたのは、適応性の資質を使いすぎて、周りの協力ばかりして自分の勉強や仕事がおろそかになってしまっていたからのようです。

僕は彼のストレングスファインダーの結果を見て、確かにいけない部分もあるが、それは適応性を使いすぎてしまっているだけだと気付きました。それが彼の特性と理解し、多少の遅刻などはしょうがないと許せるようになりました。

ではここからはみなさんの知っている人たちの例を見ていきましょう。

佐々木
この記事では二人の先生の例を紹介します。実際のイベントではAntaa中山 俊社長や今話題のDr.おかめさんなど、たくさんの方の興味深い例が紹介されていましたが、イベント参加者だけのオフレコとします。

加藤 浩晃先生の例

これは加藤 浩晃先生の資質TOP5です。 黄色(影響力)が3つもあります。黄色は珍しく、一つでもあれば強烈、2つあれば超すごい、3つあれば超ド級、と言われています(笑)

黄色は自分がいいと思ったことは何としてでも成し遂げよう、人にわかってもらおう、人を巻き込もう、という資質です。着想はクリエイティブの資質で、ずっと面白いことを考えているような人です。

加藤先生は着想の資質を使って様々なことを思いつき、社交性によって人を巻き込み達成・実現していってるんですね。

福田 芽森先生の例

これは福田 芽森先生の先日のツイートです。

芽森先生は患者さんの気持ちを第一に考え、待たせてしまった外来患者さんや見舞いに来たご家族にとても気を遣っています。

これは共感性の資質を非常に発揮している例ですね。

こちらが芽森先生の結果です。

共感性はうまく発揮すると人の心を掴むことができ、良い人間関係を築くことができます。

一方でその資質を使いすぎると心が疲弊してしまうこともあります。 だから自分で今共感性を使いすぎてるなと気付き、うまく抑えることも大事です。

つまり自分で資質をメタ認知して、コントロールすることが強みを活かすということなんです。

ストレングスファインダーで”自分を知り、他人を知る”

ストレングスファインダーには“自分を知り、他人を知る”という目的があります。強みを理解して共有すると、チームが円滑になります。

まず、自分が今どんな資質を使っているのか、うまく使えているのか、を認識します。次に相手の資質を知り、もしかしたらあの人はこの資質を発揮しているのかもと考えると理解が深まります。

自分の資質の下位5つは諦めましょう(笑)。これらの資質を伸ばすのは効率が悪いので、それが得意な人とチームを組むことです。お互いの資質を補い合うことで高いパフォーマンスを発揮することができます。

強みを人のために使うと自分も幸せだし、相手も幸せになります。だから人のために使うことを意識するのが大事です。

医療×ストレングスファインダーの可能性

人生という視点で見ても強みを活かすことは大切です。強みを活かすと、

  • 生きがいが出来やすく、生きがいがある人は長生きする
  • 熱意が生まれ、熱意が高い人は病気にかかりにくい
  • 仕事のストレスが少なく、病気にかかりにくい

など、身体的にも影響するので、その視点で医療にも活かせると考えています。

布施淳先生
長く健康に生きることに一番影響するのは患者さんの日々の行動パターンであり、患者さんの生きがいや熱意も知らないと、良い医療を提供できません。

そしてそれは患者さんとの対話からしか知ることができず、それが今の医療に決定的に欠落していることです。

実は勤務していた病院を8月に退職しました。

ストレングスファインダーを通して学んだことを活用するため、「医師との対話の時間を大切にするクリニック」というコンセプトで、クリニックを開業準備中です。

以上で僕の話は終わりです。本日はありがとうございました。

開業準備中のWell- being Clinic 駒沢公園

佐々木
編集後記

強みを活かすとこんなに良いことがあるのかと驚きました。色んな先生の例、個性が出ていて面白かったです。イベントではこの記事に書かれていない話も盛りだくさんですのでぜひ実際に足を運んで見てください。

ちなみに僕が昔やった結果は、未来志向をトップとした赤が多い人でした。 器用になるのは諦めて未来妄想に勤しもうかと思います(笑)

執筆 佐々木 祥貴(7yoshitakas)

 

加藤浩晃先生のヘルスケアビジネス研究会の入会はこちらから

ストレングスファインダー(さあ才能に目覚めよう)の購入はこちらから

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です